(1) 被告人が債務整理で,落札することが予定されていたU 株式会社や建設業 界等からペナルティーを受けることなく,地元対策を含めて工事がスムーズに できるよう依頼されて,これを引き受けた。
28は,その「談合」に反して, V・W 共同企業体において本件モノレール支柱工事を落札しようと考え,W の専務取締役であったA 29にその旨指示したが,事前にV 側にそのことを 知らせなかった。
平成15年1月16日午後1時から上記の入札が実施されたが,V・W 共同 企業体がU の入札金額を下回る3億1160万2000円で入札して落札し た(以下,平成15年の出来事については暦年の記載を省略する)。
2(1) V・W 共同企業体が本件モノレール支柱工事を落札したことを知った A 26は(A 26がこのことを知った経緯については争いがある),1月16 日,A 29に「談合」に反してV・W 共同企業体が本件モノレール支柱工事 を落札してしまったことへの対応をW の方で行うように言った。
なお,A 2 9は,A 26に対しては,故意に落札したのではなく,入札書を書き間違えて 落札してしまったなどと説明していた。
(2) 1月17日午前中に,A 29は,W の従業員で,入札を実際に行ったA 30と共に,U の営業部長のA 31及び顧問のA 32と会った。
A 29は, 故意に「談合」に反して本件モノレール支柱工事を落札したのではない旨説明 した上で,「そのままV・W 共同企業体が本件モノレール支柱工事について 契約をし,U がその下請けに入る」という案を提案したが,A 31らはこの提 案を拒否し, ・共同企業体がV W ,本件モノレール支柱工事の契約をすること を辞退するように申し入れた。
話し合いはまとまらず,A 29は,A 31らと 再度会う約束をして別れた。
しかし,その約束の日である同月20日,A 29は,待ち合わせ場所には行 かず,A 31に「もう会えない」旨電話で伝えた。
(3) V に対して,当初U から「どない処理するのや」などという内容の電話 がかかってきたり,他の業者からクレームがあったりしたが,入札日から1週 間か10日するうちになくなった。
(4) 1月28日,本件モノレール支柱建設工事につき,V・W 共同企業体は 代金3億2700万2100円(消費税込み)で建設工事請負契約を締結した。
(5) V・W 共同企業体による本件モノレール支柱工事は,特段の問題なく実 施された(なお,W は途中で共同企業体から脱退している)。
V・W 共同企業体が「談合」に反して本件モノレール支柱工事を落札したこ とに対して,V やW が,U や他の業者らから,明らかな形で何らかの見返り を要求されたり,ペナルティーを科されたりしたことはなかった。
3 1月20日に実施されたX 築造工事についての入札についても参加業者の 間で「談合」が行われていた。
V・W 共同企業体は,当初,これについても落 札を目指して活動していたものの,被告人からの働き掛けにより断念し,他の 業者が落札した。
4 被告人は,V・W 共同企業体が「談合」に反して本件モノレール支柱工事を 落札した件について,V,W に不利益が生じない形で処理するようV・W 共同 企業体側から依頼されて引き受け,V・W 共同企業体側と被告人は,工事代金 の中からその1割を被告人に支払うことで合意したが,被告人にその依頼をし た人物やその経緯については争いがある。
延滞金の利率
本件条例には,交付を受けた政務調査費の残余を返還すべき期限についての定めがないものの,正当な理由もなく返還時期を延ばすことは社会通念上許されるものではない。
本件条例の各規定や「地方公共団体の経費は,その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて,これを支出してはならない。」とする地方財政法4条に照らせば,交付された政務調査費に残余があった場合には,当該議員において速やかにこれを返還すべき義務がある。収支報告書の提出期限に関する本件条例7条に照らせば,政務調査費収支金額の確定は実質的には収支報告書の提出時とするのが妥当であるから,附帯請求の始期(算定期間開始日)は収支報告書の提出期限の翌日に当たる5月1日とすべきである。
また,その利率については,平成12年に地方自治法が一部改正されるまで,政務調査費は各市において補助金として交付されていたのであるから,返還を命じられた補助金等を納付期日までに納付しなかった場合の延滞金の利率を年10.95%とするL市補助金等交付規則18条(甲35)によるべきである。
同種の訴訟についての裁判例(甲36)においても,利率を年10.95%とする判断が示されている。
(被告の主張)
本件条例には政務調査費に残余がある場合の返還時期に関する規定はないし,被告L市長の各議員に対する返還請求権の根拠である不当利得返還請求権においては債務の履行について期限の定めはないから,被告L市長が各議員に対して履行の請求をしたときから遅滞の責任を負うことになる(民法412条3項)。
また,平成12年法律第89号による地方自治法改正後は,政務調査費は補助金ではなく交付金としての性格を有しているところ,L市補助金等交付規則の規定内容からすれば,同規則が政務調査費を規律するものとは考えることができないから,同規則を根拠に利率を年10.95%とすることはできない。
5 A 26は,B 3組の組員で被告人の秘書的な仕事をしていたA 7から紹介 を受けた株式会社Y に架空の下請工事を発注したかのように装い,その代金 の支払い名下に約束手形や小切手を振り出すことによって,被告人に対する支 払いを行うこととした。
そして, 株式会社代表取締V 役A 26振出名義の(1)平成15年9月22 日振出の額面407万9250円の小切手,(2)同日振出の額面252万円の 約束手形,(3)同年10月20日振出の額面347万4600円の小切手, (4)同日振出の額面214万円の約束手形,(5)同年11月20日振出の額面 498万5750円の小切手,(6)同日振出の額面300万円の約束手形, (7)同日振出の額面8万円の約束手形,(8)同年12月22日振出の額面23 4万1480円の小切手,(9)同日振出の額面144万円の約束手形,(10) 平成16年2月20日振出の額面289万1850円の小切手,(11)同日振 出の額面178万円の約束手形,(12)同年3月22日振出の額面128万3 580円の小切手,(13)同日振出の額面78万円の約束手形が,それぞれA 27を介してA 7に対して渡された。
A 7は,そのうち(11)と(13)については,被告人の指示で,暴力団組員 であり,建築業者間の「談合」に関与していたA 33に渡したが,それ以外 は現金化して,現金を被告人に渡した。
A 33は,被告人から,その約束手形 だけでなく,現金も受け取っており,その手形と現金の合計は約600万円に なる。
第3 被告人がV・W 共同企業体から依頼を受けた経緯等 1(1) A 26は,被告人に本件モノレール支柱工事をV・W 共同企業体が落 札した件の処理を依頼した経緯について,当公判廷において,「1月16日午 後2時くらいに,被告人から電話がかかってきて,本件モノレール支柱建設工 事について,V・W 共同企業体が金額を間違って入札して落札したことを聞い た。
被告人は「えらいことやな。
信用がなくなる」と話し,「おれに任してく れるか」とU や業界筋に対する信頼回復のために動いてくれる旨言ってきた ので,W 側とは相談せず「お任せします」と答えた。
同日,A 29に対して, 「何ということをするのや。
これをちゃんと始末せえよ」「とにかく,あやま ってこい」などと言ったが,被告人に依頼したことは話さなかった。
その後, 29から,「17日に31A A と会って,入札を辞退してほしいと言われ た」と聞いた。
その話を聞き,A 29に対して,「被告人に任せるので,W の方でU との折衝はしないでいい」と言った。
A 28とA 29が被告人のと ころに行って本件について頼んだかどうかは知らない。
2月初旬ころ,被告人 から電話があり,「利益が減るけど,U,業界関係にいろいろ(信用を回復す るための)手立てをするのに(請負代金の)10%ぐらい要る」などと言われ たので,「分かりました」と答えた。
本件モノレール支柱工事の代金から支払 うという話はした。
そのお金にはU や業界筋に渡す分だけでなく,被告人の 手数料も含まれていると思っていたが,内訳についての話は出なかった」など と供述する。
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